CATEGORY:実物 日本軍

2014年05月10日

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣

骨董屋にて見つけましたので購入してきたものです。

昭和十九年末に制定された被服です。
日本陸軍において制定された夏冬衣の最終形状ですね。
戦時下の切迫した状況にあわせ、それまでの軍服から
随分と簡略化されたのがわかります。


短ジャケットの様相を呈しています。
三式冬衣から比較して、裾丈が袖丈と同じくらいにまで短縮、腰物入れは廃止され
胸部物入れの雨蓋の形状も簡略化されています。

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣












背面
面白いことに、生地の節約を謳い改四五式から昭五式で背中中心の生地が二枚生地に
なりましたが、この戦時制定では再び一枚生地になっています。
脇裂は廃止されました。

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣













襟にホックはあります。


日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣


立ち上がり部分が短縮されたようです。

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣













襟内側
切り端は処理されず、写真のようにっています。

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣













物入れ
雨蓋は小さくなり
夏衣のように胸部物入れの縫い後が見えます。
(内張りの都合上だと思われます。)

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣














この固体では金属釦が付いています。
劣化の様相が激しく、乱暴な扱いをすると崩壊します

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣















そういえば九八式冬衣を紹介したとき
触れなかった(よく解らんかった)部分ですが、
九八式冬衣以降はこのように脇下部分が
腕を上げやすいような裁断になっています。
以前に写真で見た戦時服夏衣は九八式以降の
脇通気口が設けられていました。


日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣










剣留

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣











袖口
内装が無いそうなので袖口に布が縫いつけられています


日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣













の肘部分には外から見てこのように縫い後があります。

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣













肘部分だけ内張りを縫い付けられています。


日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣










内装
かなり省略されているのがわかります

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣










袖部分への縫いつけ状況

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣












腰物入れがないためか
左右の内張りに物入れが設置されています。
三式まであった検定印横の内物入れは省略された様子。

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣








検定印

日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣



下から四五式、昭五式、九八式(十三年製)、戦時冬衣
日本陸軍 戦時制定服(決戦服)冬衣










第二回潟ヒス、よろしくどうぞ。
http://projecttn.militaryblog.jp/e534753.html




同じカテゴリー(実物)の記事画像
九六式 防寒編上靴
M1936 ミュゼットバッグ
九八式夏衣袴
日本陸軍 昭和十七年制定 防暑袴 
WW2 USMC キャンティーンポーチ
USMC  M41 フィールドパック 
同じカテゴリー(実物)の記事
 九六式 防寒編上靴 (2017-11-27 17:40)
 M1936 ミュゼットバッグ (2017-02-05 20:11)
 九八式夏衣袴 (2016-12-28 14:58)
 日本陸軍 昭和十七年制定 防暑袴  (2016-10-10 12:07)
 WW2 USMC キャンティーンポーチ (2016-06-27 21:58)
 USMC M41 フィールドパック  (2016-04-24 08:37)

Posted by 半井匠(ナカライ タクミ)  at 22:31 │Comments(0)実物日本軍

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。