CATEGORY:実物 日本軍

2014年10月15日

日本陸軍 昭和十二年改雑嚢

某複製どころからこの型の雑嚢が製作されているのを見て
欲しくなった矢先、実物が流れているのを発見してそっちに手を出してみました。








日本陸軍 昭和十二年改雑嚢



一見すると末期型に見えますが、昭和十四年以前の制式(?)雑嚢なので
旧式雑嚢の一つですね。



さて、某複製処様の製品紹介では昭和十二年制定と書かれてますが
制式に、十二年制定の型は此方の物になります。

http://projecttn.militaryblog.jp/e553201.html



じゃああこの雑嚢は何なの、と言う話。
以前に篠原工房さんに聞いたときは
「良く解らんけども、十二年型の後に国家総動員法に併せて簡略化したもの。
コイツを元に中田が作ってる後の十四年型になった。」と。

昨今の複製が出た際にとある方に聞いたら
「もしかしたら寒冷地用の試製とかだったりして」
等とも。

両方ともなきにしもあらずな推測ですよね。
十二年型の簡略という話はもちろん
寒冷地用てのに関しては、金属部品を極力少なくして
冷え切った金具に皮膚が張り付かない様に考慮したと言うならば
納得の仕様。

いうても私も一次資料を所持してるわけではないので
先生方の推測を鵜呑みにしてるだけですのであしからず。
信じるか信じないかはあなた次第です。



「日本陸軍の雑嚢・背嚢・背負い袋に関する研究序説」
という本に各種雑嚢に関して、一次資料級の資料が纏められているそうです。
PKミリタリアさんところで前に取り扱ってましたが
資料の重要性とオキャネの都合で逃してしもうた。



んで私もこの雑嚢に関しては「昭和十二年改雑嚢」という旨の呼称を
使わせていただきます。











日本陸軍 昭和十二年改雑嚢


裏面
帯革に留める金具が紐になっています。
末期型と違うのは粗末な紐ではなく、袴の腰紐等と同等品







日本陸軍 昭和十二年改雑嚢

日本陸軍 昭和十二年改雑嚢




蓋を留める紐の縫い方が他と見分けるポイント。






日本陸軍 昭和十二年改雑嚢


蓋紐の裏側。








日本陸軍 昭和十二年改雑嚢


蓋を開く
これこそ後の十四年型と同様の見た目









日本陸軍 昭和十二年改雑嚢


ただ内側の紐の縫いつけ部分はこの様になっていますので
ここも他と見分けるポイント。









日本陸軍 昭和十二年改雑嚢


内側の仕切りなど











日本陸軍 昭和十二年改雑嚢


検定印
河野納・・・? 大支検定は解りますが、その隣の年数が判読できませぬ。
13かな・・・・。












日本陸軍 昭和十二年改雑嚢


革帯に留める紐の縫い目。
末期型とは比較にならんほどしっかりと丁寧に縫われてます。







日本陸軍 昭和十二年改雑嚢


十二年型(手前)と十二年改型(おく)










日本陸軍 昭和十二年改雑嚢


あ、革帯に留める紐の十二年改型と末期型の違いね













日本陸軍 昭和十二年改雑嚢


各種仕様の実物雑嚢4つ。
日本軍雑嚢の「綿生地の自覚あるのか」と問い詰めたくなる
勢いのかったい生地は素晴らしいと思います。



年内に次回新潟ヒストリカルの詳細を上げられますように。




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Posted by 半井匠(ナカライ タクミ)  at 21:25 │Comments(0)実物日本軍

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